「戦国武将の安全管理・危機管理」
「安全管理」の重要なポイントは、「想定される危険を予知し、そのための対策を徹底的に講じる」「関係者には自分の身の安全は自分で守ることを徹底させる」といったことであるとされていますが、これらを日々命がけで実践していたのが、かつての戦国武将たちです。彼らにとって危機管理の欠如は、即命を落とし、場合によっては一族が滅ぶことにも繋がりました。現代と戦国時代とでは、常識や環境も全く異なりますから、これをそのまま実践しようという訳ではありません。しかし、彼らが懸命に用いてきた知恵や機転、組織運営の方法などは、今を生きる私たちにとってもヒューマンエラー、危機意識の欠如、重大な選択ミスを防ぐうえで何かしらの示唆、教訓を与えてくれるはずです。江戸期に編纂された戦国武将逸話集「名将言行録」「常山紀談」などをベースに、著名な武将たちが己の身を守るために、そしてお家の危機管理のためにどんな行動をとっていたのか、様々なエピソードを紹介し、わかりやすく解説します。