講演:経営哲学・事業戦略

 

 

 

 

 

 

 

「渋沢栄一の『論語と算盤』に学ぶ企業経営」

2021年のNHK大河ドラマ「青天を衝け」の主人公で、2024年から新一万円札の顔にもなる渋沢栄一。明治維新以降、日本経済の土台となった約500もの会社を設立、支援。自らは財閥を形成せず、社会の公器としての企業の発展に尽くし、「日本近代経済の父」とも呼ばれています。彼が後年、全国を回り、講演で力説したのが「論語と算盤」です。「ソロバンは論語によってできている。論語もまたソロバンの働きによって真の経済活動と結びつく。論語とソロバンはとてもかけ離れているように見えて、実はとても近いもの」と訴える栄一の言葉にはいかなる真意が含まれていたのでしょう?道徳を重んじる儒教の教典「論語」を自らの精神的支柱と位置づけ、企業経営を実践した彼の人生を振り返り、現代の企業経営者は何を学ぶべきか、その心構えについてわかりやすくお話します。

「〝兵法〟に学ぶ経営戦略、事業戦略」

古来、多くの賢者が遺した「兵法」のいくつかは、現代人が激動する社会を生き抜き、組織を運営し、競争に打ち勝つためのヒントも秘めています。そこで、世界最古の兵法書でありナポレオンも座右に置いたとされる「孫子」、近年その内容が見直されて評価を高めている旧日本陸軍の戦術教範「作戦要務令」、三国志の諸葛孔明が蜀国の幼い主君に薦めた思想書「韓非子」をはじめ、著名な武将、将帥が実践した戦術、戦略を、その成否とも絡めてわかりやすく紹介し、現代ビジネスの経営戦略や事業戦略に対していかに応用できるかをお話しします。優れた兵法は、そのいずれもが人間に対する深い洞察によって裏打ちされており、サバイバルにおける定石を指し示し、人間社会を生きる知恵も授けてくれます。世界が混迷の度を深め、これに伴い経済不安が深刻化する中、〝兵法〟は打開に向けた指針ともなるでしょう。

「旧日本陸軍と海軍に学ぶ組織のあり方」

日本史上最大の組織である旧日本陸軍には、これまで様々なメディアでも指摘されているように頑迷な将官が多かった反面、柔軟性があり優秀な将官も決して少なくなく、軍の実力は欧米諸国に大きく劣っている訳ではありませんでした。陸軍軍人は、当時の子供にとっては憧れの職業であり、陸軍大学校は日本中から秀才が集まるエリート集団でもあったのです。そこで、〝日本陸軍悪玉論〟を否定し、日本海軍の決定的な弱点を指摘しつつ、両組織の長短を比較し、組織運営のあり方についてお話しします。例えば、開戦初期の主力戦闘機・隼(陸軍)が搭乗者の人命保護にも目を向けた構造であったのに対し、零戦(海軍)が攻撃力と航続力のみを重視した人命軽視の戦闘機だった例なども取り上げ、両組織の兵器思想や実戦の様相を紹介しつつ、エンターテインメント性豊かな講演とします。

「戦国武将の統率術」

優れた戦国武将とは、いずれも組織運営、組織統率の達人でもありました。当時、目をかけていた家臣に裏切られ、地位を取って代わられた主君というのは決して少なくありません。油断ならないのは家臣だけに限らず、親兄弟、さらには妻子でさえ、気を許せば寝首を掻かれるという悲劇が起こりました。過酷なサバイバルレースを生き抜いた著名な武将たちはこの厳しい環境下、いかにして運命共同体である一族、家臣、領民らの信頼と協力を勝ち得、「家」を守り、さらに拡大させてきたのでしょう。彼らが取った様々な家臣掌握術から、その人生哲学や知恵を学ぶ講座です。